不良セクタ・不良ブロックとはなにか
ハードディスクの中ではプラッタと呼ばれる磁性を帯びた円盤が回転していて、これを磁化することにより情報を記録している。例えばこのプラッタの磁性が極端に弱くなれば、記録された磁気情報は読み出すことができなくなる。原因が磁性の劣化に限らず、読み込み不能の領域を不良セクタといい、Windowsでは不良ブロックと表現される。不良ブロックは仮に再度書き込みを行っても読み込めない可能性が高いので、論理フォーマットをし直さない限り、OSは一度検出した不良ブロックには二度と書き込みを行わない。
不良セクタが発生した場合の実際の動作は多少複雑である。先ほどの例えと同じ、プラッタの一部分の磁性が弱くなった際の動作を考えてみよう。磁性が弱くて通常の動作で読み取りにくいビットセルがあった場合、ハードディスクのファームウェアが読み込み開始タイミングの調整やヘッドのバイアス電流などの調整を行い、また何度もリトライし「なんとか読み込もう」とする。そして「なんとか読み込めた」場合、そのビットセルに対して「なんとか読み込んだデータ」を同じ場所に書き込み、磁性のリフレッシュを行う。このビットセルに同じデータを書き込んだだけでは本当にリフレッシュされたかわからないので、書き込み後に読み取って検査しなければならない。しかしもともの読み込み不良の原因が経時変化である可能性が高く、書き込み直後にベリファイを行うだけでは不十分で「経時変化による問題」が表面化しない恐れがあることから、わざわざ次回そのセクタにアクセスする時までまってもう一回検査結果の評価を行う。その評価待ちのビットセルのことをペンディングセクタと呼ぶ。ペンディングセクタは後々の評価時に読み込めない可能性があるので、ペンディングセクタ扱いになった時、あらかじめ代替領域にミラーされる。そしてそのペンディングセクタに再アクセスがあり、代替領域のデータとのベリファイに合格した場合、ペンディングセクタ扱いをはずれ、通常セクタ扱いに戻る。この際代替領域のミラーデータはマッピングから除去される。一方再アクセス時にベリファイでエラーが検出された場合、直ちにペンディングセクタは不良セクタに降格し、以後一切アクセスしなくなる。そしてペンディングセクタの代替領域内ミラーデータは同時に不良セクタの代替セクタとしてマッピングされ、以後OSからその不良セクタへの読み書き要求があった場合、、自動的に代替セクタにリダイレクトされる。この一連の代替処理はハードディスクのファームウェアが自動的に行うので、OSには一切通知されない。
また「なんとか読み込もう」として「読み込めなかった」場合は直ちに代替処理が行われるが、そこのデータは消失してしまっているのでOSに不良セクタとして通知され、OS上で不良ブロックとなる。そしてOSはそのセクタには二度とアクセスすることはなくなるが、ハードディスク内部での代替処理は完了しているので、もし再度OSで論理フォーマットを行えば、以前に検出された不良ブロックが消えてなくなっているという現象になる。しかしこの「なんとか読み込もうとしたが読み込めなかった」というペンディングセクタ経由ではない不良セクタ発生のシチュエーションは、「ハードディスクの劣化はジワジワゆっくり進む」ということと、「ハードディスクのファームウェアが発達して唐突に読めなくなることはあまりない」とう事実から、発生の頻度はかなり低い。
代替処理済の不良セクタが多量に発生し、代替領域がいっぱいになると、当然不良セクタの代替処理ができなくなるだろうと考えるかもしれない。しかしそれでは困るので、ペンディングセクタから不良セクタに降格するセクタが発生した場合、ペンディングセクタの代替領域のミラーデータはそのままペンディングセクタ扱いから不良セクタ代替セクタ扱いに変更され、ペンディングセクタ用の領域は減少していく。そして全ての代替領域が埋まってしまうと、新たなペンディングセクタを受け付けるためには現在すでにあるペンディングセクタの再審査をして通常セクタに昇格させて空き領域を作るしかない。その動作を自動で行うファームウェアとそこまで処理してくれないファームウェアがあるから注意が必要だ。この自動再審査をおこなってくれないファームウェアの場合ユーザーがchkdsk /rなどでディスクの全検査を行い、既存のペンディングセクタを通常セクタへと追い出しを行わないとわないと、その新たなペンディングセクタは以前に登録済みのペンディングセクタに上書きされてしまう。こうなると上書きされた側の元ペンディングセクタは代替領域のミラーデータを失ってしまうことになるので非常に危険な状態に突入する。その後もし元ペンディングセクタにOSから読み出し命令がかかったとき運悪くエラーとなればハードディスク内ではアンコレクトセクタ(回復不能セクタ)に分類され、OS上では不良ブロックの初検出という事態になる。
ファームウェアが自動再審査してくれる場合でも、全ての代替領域が不良セクタで埋まった場合、その後検出される本来ならペンディングセクタになるべきデータはリフレッシュ以外、対抗手段はなくなる。このいちかばちかのリフレッシュを行い直後のベリファイでエラーが検出された場合、さすがのファームウェアもなすすべはない。次回OSがそのセクタへの読み込み要求を行った際には先ほどと同様にハードディスク内ではアンコレクトセクタに分類され、OS上では不良ブロックが発生することとなる。
通常OS上で初めて不良ブロックが検出されるタイミングはまさにこの時なのである。初めての不良ブロック通知だからといって初期症状だなどとは実は絶対にいえないのだ。多くの場合、OSから不良ブロックの通知があったときはそのハードディスクは末期的である。なぜ末期的かといえば、代替セクタが無い状態だと無理やりなんとか読み込んだデータも、(リフレッシュはするものの)そのまま放置であるから必ず近い将来データ破損が発生するからである。つまり機械的にはまだぜんぜん健全なハードディスクでも代替領域が埋め尽くされたら「普通の使い方」においてすでに死んだと考えて差し支えない。とは言っても、全てのハードディスクがこのような形で不良ブロックを吐くわけではなく、またP2Pのキャッシュ専用ディスクなど「普通の使い方」以外でも使える可能性は残されているのでいきなりは捨てず、不良ブロックを吐くに至った原因をS.M.A.R.T.情報などで分析し、そのハードディスクをなるべく生かす方法を考えてみよう。
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